先日北海道でイヌサフランを摂取し食中毒を起こし2人が亡くなったとニュースになりました。
イヌサフラン摂取時の食中毒症状や、ギョウジャニンニクとの見分け方、特徴についてお伝えします。
イヌサフラン摂取による食中毒症状
北海道の自宅で2人が死亡しているのが発見されました。
調べによると、自宅の庭で育てているギョウジャニンニクとイヌサフランを誤食してしまったことによる中毒死と判明されました。
ギョウジャニンニクは摂取してから症状が出現するまでの時間は2~12時間と潜伏期間が長いのが特徴で、発見が遅れてしまうことで命を落としてしまう恐れがあります。
約2gの葉を4~5枚程摂取してしまうと致死量に相当すると言われています。
症状として、
激しい腹痛・下痢・嘔吐などの消化器症状、皮膚の知覚障害・手足のしびれ、呼吸困難
急性腎障害により重篤になると死亡に至ってしまいます。
平成26年~令和5年までの約10年間の間で有毒植物による中毒患者の総数は831人、そのうち死亡してしまった方は17人というデータが厚生労働省が発表しています。
ギョウジャニンニク、イヌサフランの特徴
ギョウジャニンニクとは
ギョウジャニンニクとは名前の通りニンニクのような香りが特徴の山菜です。
修行僧が摂取した後にニンニクの匂いがするということから行者にんにくと名付けられました。
涼しい地域でしか育たないということで、北海道が最大の生産地となっています。
「幻の山菜」との名前もありその由来はなんと、収穫されるまでに5~7年もの年月がかかるといわれているんです。
生産地が限られていることや、大量生産ができないことで幻といわれています。
4~5月が旬で、葉っぱから茎まで食べることができ、お浸しやニラのような使い方で様々な方法で美味しくいただくことができます。
イヌサフランとは
左:イヌサフラン花 右:イヌサフランの葉
出典:厚生労働省HP
今回ニュースになったギョウジャニンニクと間違えられたイヌサフランについてです。
ユリ科の球根植物で薄い紫色の花を咲かせる植物です。
桜や梅、モクレンと同様に花を咲かせた後に葉を出すのが特徴で観賞用として育てられています。
ギョウジャニンニクとイヌサフランの見分け方
それぞれの葉の写真を比べてみましょう。
よく見ると葉の大きさが異なりますが、葉の葉脈はとても似ていますよね。
成長する前ですと見分けが付きにくく、採取してしまうことも大いにありえそうですね。
左:ギョウジャニンニク 右:イヌサフラン
次に大きな違いとして特徴的なのが茎の部分になります。
ギョウジャニンニクは茎の根本が紫色になっていますが、イヌサフランは緑色になっています。
左:ギョウジャニンニク 右:イヌサフラン
出典:農林水産省
違いを見分けるにはギョウジャニンニクはニンニクのような香りがするため、採取後に匂いでの確認も大事になってきます。
今回の事故にもあったように同じところに植えてしまうと誤食してしまうリスクが高まります。
くれぐれも近くに植えないように注意してください。
山菜の魅力
春にかけて山菜が多く採れる季節になっています。
山菜は摂取することで身体に嬉しい効果がたくさんみられます!
山菜の特徴の苦味成分であるポリフェノールが豊富に含まれています。
抗酸化作用、細胞の若返り、ストレス軽減、生活習慣病などの予防にも最適な食材です。
また消化を助け胃腸の調子を整える働きもあります。
お正月の三が日が明けた後に七草がゆを食べる習慣がありますね。
雪の多い寒い地方では、雪が積もることで七草が手に入らない地域があります。
そこで塩漬けして保管しておいた山菜を七草がわりにして食べる習慣があるようです。
間違って摂取してしまえば命に関わる危険もありますが、正しい知識を身につけて食事を楽しみたいですね。
まとめ
植物による食中毒患者の人数にはとても驚きました。
これから秋にかけてキノコ狩りも始まるシーズンですね。
自己判断せず、わからなかったり不安に感じる場合にはしっかり調べて摂取するようにしていきましょう。
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