先日打ち上げが延期となっていた、和歌山県串本町民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」から日本初となる人口衛星を搭載した小型ロケット「カイロス」の打ち上げが3月13日に決定しました。今回はカイロスについてと人工衛星の役割などをお伝えします。
小型ロケット「カイロス」とは
引用:スペースワン
ベンチャー企業スペースワンが開発した小型ロケットです。
構造:3段式(空になったタンクを切り離して軽量化を図っている)
軌道変更用液体エンジン、総質量23トン、全長18M(ビル6階相当)
小型ロケットにすることで低コストが着目されています。
カイロスに使用されているのは主に固形燃料を使用しており、その特徴として細かな調整は難しいといわれています。
しかし貯蔵・運搬がしやすく、液体燃料のように燃料漏れや機材の破損などのリスクも低く、取り扱いがしやすいといわれています。それにより人件費や設備費が抑えられます。
軌道修正のための液体燃料も搭載されているということで、エネルギー量もありつつ、修正力もあるため成功に近づきやすいのではないでしょうか。
民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」
引用:スペースワン
スペースワンが運用する串本町にあるスペースポート紀伊は国内初となる小型ロケット発射場として建設されました。
世界最短、最高頻度、低コストを目標にしています。
種子島にある発射場では主に大型ロケットが優先され小型ロケットはそのスケジュールの合間に発射されてきました。
スペースワンでは打ち上げたいタイミングで発射することができる為、年間で20回の打ち上げを目標としています。
大型ロケットは打ち上げまでに2年かかるところをスペースワンで一年以内の打上げを目指しています。
今後メディアなどで私達の目に入ることも増えていきそうですね。
大型ロケットと小型ロケットの違い
大型ロケット:一度にいくつかの小型衛星を搭載して宇宙まで運ぶことができます。
その分規模が大きいため、コストも高くなり打ち上げまで長期間にわたるといわれています。
小型ロケット:大型ロケットに比べ重量も軽くくなるため、燃料にかかる費用も抑えることができます。
一度にいくつもの衛星を打ち上げるよりも、年間を通して1機ずつでも多くの衛星を届けていけるようにと近年では小型ロケットの開発が進んできています。
人工衛星の弱み
多くの衛星は軌道に乗るまでに壊れてしまうことが多いです。
宇宙デブリ(宇宙のゴミ)はとてつもないスピードで回り続けているため、軌道に乗る前の衛星にたった1mmの小さなゴミがぶつかっただけでも致命的なダメージを受けてしまいます。
人工衛星の寿命は10~15年ほどで、役目を終えた衛星は大気圏に入るまでにほとんどは燃え尽きて消失してしまいます。
ただ役目を果たさない人口衛星も宇宙デブリに分類されます。
また地球上に落下してしまうという危険性も発表されています。
小型ロケットの可能性
衛星が途絶えてしまうと、例えばアメリカで行われているメジャーリーグやサッカーが見れなくなったり、GPS信号が狂ってしまいます。
現代社会は便利な環境になり、私達は様々なところに衛星の恩恵を受け生活しています。
衛星の役目を果たすことができるのも、ロケットが打ち上げられることが絶対条件となります。
今後低コスト打ち上げることができる小型ロケット開発事業が発展することで、抑えられた資金を開発に活用することができます。
まとめ
一度延期されてしまったカイロスの打ち上げ日が再度決定し、国民だけでなく世界中で注目される話題となりました。
本州にロケット発射場ができたということで、種子島よりも身近に感じられますね。和歌山県へ訪れる方も多くなるのではないでしょうか。
今後のロケット事業に期待していきましょう。
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